マルシン出前機をウーバーイーツで使う際の注意点と実際の取り付けについて

本ブログの著者はたまにYoutubeに無編集動画を垂れ流すこともしていてるのですが、いまだにマルシン出前機についてはちょこちょこと再生数が伸びたり、海外の人からコメントがついたりします。また、他に複数の型式のマルシン出前機を使って比較したことのある人は私のようなガジェットオタクを除いて日本中を探しても老舗の蕎麦屋さんくらいしか見当たらないのではないでしょうか。
したがって、今後マルシン出前機の導入を検討している、その日本伝承のギミックの美しさに魅了されている方に向けて、2つの型式のマルシン出前機を使用および比較したことのある私がその備忘録として残しておきます。
また、youtubeで「UberEatsでマルシン出前機を使う際の注意点」と題して動画を投稿したものの、この当時はスマホで動画を簡単に編集しテロップ入れを行っており、私が伝えたかったことの本意がうまく伝わらなかったため、フードデリバリーでマルシン出前機を導入しようか迷っている方に向けて再度文章で注意点を記載します。
マルシン出前機にもいくつかの型分けがある
まず大前提としてお伝えしたいのは、用途に対応して、マルシン出前機にもいくつかの型式・型分けがある、ということです。このうち筆者が使用比較したことのある型式は1型と2型です。

マルシン出前機1型 蕎麦・一般食堂用
多くの人が想像し、記憶にあり、また、マルシン出前機と言ったらこの形だ!と思うのがこのマルシン出前機1型ではないでしょうか。東京では2026年現在の今でも築地などの市場をはじめ、また意外にも高田馬場や早稲田などの昔から食堂をやっている店舗などで配送に使用しているのを目撃します。

このマルシン出前機1型は、上記の画像を参照いただければわかる通り、そば・一般食堂用に設計されています。これがどういう設計思想かというと、お盆に載せた食器ごと、すなわち、固い構造物ごと上からおさえこむことを想定した設計思想だということです。
マルシン出前機を実際に触ったことのない人のよくある勘違いとして、お料理に雨や風がかからないように上からカバーをする補助的なものだ、というものがあるものと予想されます。これは実際に触るとわかりますが、マルシン出前機は押さえが強力なスプリングによりなされており、上から食器を押さえ込もうとする力は相当強いです。そうしないとお盆ごと料理が跳ねてしまいます。上からおさえこむ力が何N/mかまでが測定していませんが、あくまで補助として付いているわけではありません。
マルシン出前機2型 寿司店・魚店・出前桶使用食堂用
マルシン出前機2型は非常に簡単にいうと、後ろに食器ではなく出前桶を載せることを想定した設計思想です。こちらは元々出前桶を固定して運ぶ、食器回収BOXを載せて運ぶことを目的としており、現代のフードデリバリーのバックをそのまま載せるのに非常に向いています。おかもちも固定できるのはこの型式と出前機3型があります。
ウーバーイーツはじめフードデリバリーに用いる場合
上述の説明でご理解いただきたいのは、出前機1型は食器ごと上からガバッと押さえ込むことで配送する用途のものである、ということです。したがって、例えば松屋さんや吉野家さん(あくまで例です)のような牛丼を運ぶものと仮定すると、それをそのままマルシン出前機1型で固定すると容器ごとお料理が潰れてしまいます。よって、マルシン出前機1型は本来ウーバーイーツなどのフードデリバリーには向かず、フードデリバリーにそのまま使うならば出前機2型か3型がおすすめです。
出前機の構造と取り付け方法
実際に導入する際に参考になるように取り付け方法もできる限り記載します。
出前機1型の構造
なんといっても外に大きなカバーと食器を押さえる用の枠が特徴的です。


空気ばねは、気体(空気)の圧縮性や流動抵抗を応用した柔らかく、減衰性能を有するサスペンションです。




中央には食器の載せた際に外枠が飛び跳ねて外れないようにゴム製のバンドが付いています。これは補助的なものですが、お盆を何膳も重ねるような場合には重宝します。

出前機1型はお盆を配膳するために四角い形になっています。
出前機2型の構造
2型は出前桶を載せるための設計になっています。




マルシン出前機2型は全体写真がなくて申し訳ありませんが、フードデリバリーのバックを載せるには最適な構造をしています。



岡持、出前箱は一応ファッションとして使ってみましたが、ピザが運べないという弱点があります。笑

出前機全般に言えることなのですが、一般の人が想像するよりも、押さえのスプリングの力が強いため、その点だけ注意が必要です。柔らかい構造のバックなどは潰れて使い物になりません。
空気バネと出前機の構造について
出前機の安定性を支える技術の一つとして重要な部品が空気バネです。これは新幹線の台車や昨今の旅客用車両の台車にはほとんど使用されるもので、出前機だけでなく色々なところに採用されています。
しかし、出前機でポイントとなるのは構造上は空気バネで下から支える新幹線等の台車とは違って、出前機のそれは実は出前機全体の外枠を上から吊った構造になっている、ということです。
出前機を用いるとよくバイクの路面からの振動を吸収できると短絡に考える方がいますが、どちらかというと下からの突き上げを吸収するサスペンションというよりは上から予め吊っておいて吊り具の上下左右の運動を空気バネの抵抗で吸収する、というニュアンスが近いと思います。
つまり、出前機とは実はスーパーの袋を片手にもち運転するが如く、また、バケツの水をこぼさないように運んだ公立中学の清掃の時間の如く、上から吊ることで食品安定を保つ部材なのだと理解できます。ここでのポイントは、下からお料理を支えているわけではない、ということです。
コンビニでおでんを買った時、マックでアイスコーヒーを買った時、ビニル袋に入れ片手で持つとやたら安定して運搬できますよね?それと同じことをなしてくれる機械が出前機というわけです。
実際のバイクへの取り付け方
この記事ではスーパーカブに取り付けるものとして記載します。その他にもベンリーやヤマハのギアなどにも取り付ける部材があるのですが、自身の体験という意味でスーパーカブへの取り付けのみ紹介します。
大きく2種類の台座がある
私が知る限りにおいて2種類の台座が存在します。

上の画像のタイプの台座は片方の側面が半円状態になっており、出前機本体のフレームがその半円に合致し、それをさらに側面からボルトを締め込むことで固定するタイプです。こちらが一般的な台座かと存じます。


こちらは珍しい台座タイプかと存じます。出前機本体のフレームを予め載せた後に、画像奥に見える金属部材で4点ボルトどめするタイプです。

上述の2つの台座ともに、取り付け穴のピッチ(何mm幅で穴あけがなされているか)は忘れてしまったのですが、バイクの荷台に取り付ける穴自体にはネジ山が切ってなくても大丈夫だと思いますので、電動ドリル等で穴あけを頑張ってください。
バイクの荷台側の準備

私が出前機を取り付けしたバイクは元々郵便局で使用されていた郵政カブのため、通常のスーパーカブとは荷台の形状が異なるかも知れません。しかし、結局は電動ドリルで穴あけを行いましたので、仮にどちらのスーパーカブでも気合いで取り付けてください。

私は予め出前機を取り付けるか検討する前に、すでに出前機を手に入れてしまっていました。したがって、台座を荷台に当てて取り付け穴ピッチは測定せずに直接穴あけを行いました。バイク後方の2箇所のみ穴があれば前方はボルト締め付けで固定できるものと考え後方2箇所のみ穴あけを行いました。

考え方としては、
①出前機用の台座を荷台に固定
②出前機を台座に固定
という単純な2工程に分解することができます。
出前機固定
上記までが完了したら、あとは出前機を固定していくだけになります。


これで無事に取り付けが完了です。出前機1型も出前機2型も台座に取り付く際のフレームのピッチは変わらなかったと記憶しております。つまり、上述のどちらかの台座を取り付けておけば、その日の気分によって出前機を交換することができます。
上記までで取り付け方法がなんらかの参考になれば幸いです。
Youtubeで伝えたかったこと
最後に「UberEatsでマルシン出前機1型を用いる場合に注意すべきこと」と題してyoutubeに動画を掲載したところ、スマホで編集していたこともあってあまり真意が伝わらなかったため、文章で残しておきます。
上述の通り、出前機にはいくつかの型分けがあります。これはるろうに剣心の斎藤一の牙突と同じです。用途によって違うのです。そこで繰り返しになりますが、出前機1型はそば・一般食堂用であり、食器ごと運搬するためのものです。したがって、フードデリバリーで使用する用途には向かない、かつ、フードデリバリー用のバックを包むには少し窮屈な構造になっています。
ゆえに、フードデリバリーで使用するのであれば出前機2型もしくは3型がおすすめです。さらにいうと、上記のスーパーカブに出前機を取り付けた画像を参照いただければ分かるとおり、出前機の安定性にも正直限界があります。あまりに乱暴な運転をすると汁物は普通にこぼれます。笑
いずれにせよ防水性のある公式リュックを使用するならば、背負って配達した時と、出前機を使って配達した時とで食品の運搬安定性にあまり違いがなさそうと感じた、というのが正直なところです。出前機も現在では10万円以上の値がついていますから、その初期投資をするくらいならば、他の仕事の備品に充当した方が有益なのではないでしょうか?というのがお伝えしたかった本意です。
昔の技術はすごかった!とノスタルジックに浸る気持ちも私は分かるのですが、その時代時代に最適化された構造物がすでにあるのですから、それを使って仕事をするのも悪くないのではないでしょうか。







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